高齢者が熱中症になりやすい理由★国試出題傾向をおさえる

こんにちは、母主です

今回は、【熱中症】と【高齢者の熱中症】に対する国家試験対策を紹介します

★ こんな学生さんにおススメ ★
【熱中症】の基本的知識を知りたい
【高齢者の熱中症】はなぜ、起こりやすいの?
国家試験の過去問題の出題傾向を知りたい

では、続いて結論からお伝えします

 

★ 国家試験の対策ポイント ★
老年期は自律性体温調節能力が低下する
老年期は寒さ・暑さに対する感受性が低い
熱中症になりやすい理由が出題されやすい

 

熱中症になる半数は高齢者が占めています

なぜ、高齢になると熱中症になりやすいのか、といった問題が過去出題されています

 

状況設定問題では、熱中症の初期対応が重要になってきます

日常生活においても【熱中症の初期対応】は非常に大事です

国家試験対策と自分の知識としておさえておきましょう

 

熱中症の特徴と分類

熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。
引用:厚生労働省 熱中症予防のための情報・資料サイト

 

ちなみに、

日射病は熱中症の中でも直接太陽の陽が射して重症になった状態

熱射病は熱中症の中でも陽に当たらず重症の状態です

 

目次

熱中症の症状と分類

 

分類Ⅰ度 軽症 めまい・失神

筋肉痛・筋肉の硬直

大量の発汗

Ⅱ度 中等症 頭痛・気分の不快

吐き気・嘔吐

倦怠感・虚脱感

Ⅲ度 重症 意識障害・痙攣

手足の運動障害

高体温→体に触れると熱いという感触がある。従来から「熱射病」や「重度の日射病」と言われていたものがこれに相当する

引用:厚生労働省 熱中症の症状と分類

 

熱中症予防について詳しい内容は厚生労働省でも案内しています
一般の方でも分かりやすい内容はこちらからどうぞ

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/index.html

第100回 熱射病の特徴

熱射病で正しいのはどれか

1 緊急性は低い
2 冷汗がみられる
3 意識障害が起こる
4 室内では発症しない

解説と答え

熱射病は熱中症のⅢ度にあたるため、「意識障害」を起こし緊急性が非常に高い
室内でも発症するため、エアコンなどの温度調整やカーテンが必要である

答え 3

 

第101回 熱中症の特徴

排尿回数が減少するのはどれか

1 フロセミドの内服
2 寒冷な環境
3 熱中症
4 膀胱炎

 

解説と答え

フロセミドは利尿作用があるため、排尿回数が増加します

寒冷な環境は膀胱の収縮作用が促されるため、排尿回数が増加します

膀胱炎は膀胱の排尿のしぶり感をもよおすため、排尿回数が増加します

 

答え 3

老年期の特徴

老年期の身体的変化は

筋肉量が減少

骨密度が低下

認知機能の低下

感覚器官の機能低下

などがあります。

過去問題を通して確認していきましょう

 

第99回 老年期の体温調整

老年期の体温調整で正しいのはどれか。2つ選べ

1 温めると容易に体温が上昇する
2 暑さ・寒さに対する感受性が高い
3 発汗にはより高い体温が必要である
4 骨格筋が減少して熱産生能が低下する
5 末梢血管収縮反応が亢進し熱が逃げにくい

 

解説と答え

暑さ・寒さに対する感受性が低いため、熱中症に気付くのが遅くなりがちです

感受性が低いため温めても体温が上昇しにくい体になっています

 

答え 3 4

第106回 老年期の特徴

 

老年期の身体的な特徴で正しいのはどれか

1 尿量の増加
2 味覚の感度の向上
3 体温調節能の低下
4 外来抗原に対する抗体産生の亢進

解説と答え

 

人間の体内水分は年を重ねると共に、減少していきます

そのため、熱中症になると元々水分が少ないため高齢者は脱水にもなりやすいです

答え 3

第111回 高齢者が熱中症を起こしやすい理由

 

若年者よりも高齢者が熱中症を起こしやすい理由はどれか

1 熱生産量の増加
2 熱放散量の増加
3 自律性体温調節反応の低下
4 視床下部の体温調整中枢のセットポイントの低下

解説と答え

 

人間の体温は(中略)体温の設定温度(セットポイント)が管理されていて、体温が設定温度より高くなると体温を下げる指示を出し、設定温度より低くなると体温を上げる指示を出しているのです
引用:一般社団法人 大阪小児科医会

 

セットポイントは引用文からも、設定温度を指しています

視床下部は体温調整に関与しているが、セットポイントの低下が直接的原因ではないので間違い

答え 3

 

状況設定問題

 

第97回 72歳の状況設定問題

72歳の女性。数日前から猛暑日が続き、蒸し暑い部屋で1日中扇風機をかけて過ごしていた。活気がなくなり、倦怠感が強く食欲が低下、会話も少なくなってきた。
最も考えられるのはどれか。

1 脱水
2 虫垂炎
3 転換性障害
4 頭蓋内圧亢進

解説と答え

 

部屋の状況や症状からして脱水が優先的に考えられます

軽度 喉の渇き、尿量の減少
中等度 全身の倦怠感、頭痛、嘔吐、めまい、血圧低下
高度 意識障害、心臓・腎臓・呼吸機能不全

引用:看護roo!用語辞典:脱水

虫垂炎の症状→腹痛、発熱
転換性障害→脱力、振戦、皮膚感覚異常
頭蓋内圧亢進→頭痛、悪心・嘔吐、耳鳴りなど

 

答え 1

第112回 胃瘻造設時の熱中症対応

 

Aさん(88歳、女性、要介護1)は長女(58歳、会社員)と2人暮らしで、胃瘻を造設し訪問看護を利用している。看護師の訪問時、Aさんは頭痛、嘔気を訴え、ベッドに横になっていた。バイタルサインは、体温37.6℃、呼吸数24回/分、脈拍96回/分、整、血圧102/76mmHg、口唇が乾燥している。室温は30℃である。長女に連絡し、かかりつけ医に往診を依頼することにした。

医師は到着するまでの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

1 頭を高くする
2 腋窩を冷やす
3 水を飲ませる
4 中枢から末梢に下肢をマッサージする

解説と答え

 

部屋の状況、症状から熱中症になっている可能性があります

熱中症の分類としては、Ⅱ度の状況です

「胃瘻」を造設しているため、経口摂取は難しい

そのため、腋窩を冷やすことが優先順位としてあげられます

 

答え 2

まとめ:高齢者は体温調節機能が低下する

では、今回のまとめです

★ 国家試験の対策ポイント ★
老年期は自律性体温調節能力が低下する
老年期は寒さ・暑さに対する感受性が低い
熱中症になりやすい理由が出題されやすい

 

国家試験過去問題には

【高齢者がなぜ、熱中症になりやすいのか】

という問題が出題されています

理由を必ず対策をしておきましょう

状況設定問題では、胃瘻などの介護度や発見現場の状況が影響します

看護師
看護師

熱中症の基本的初期対応【冷やす】ことは共通

なので、必ずおさえておきましょう

これから夏本番で暑い日が続きますが、コツコツ勉強頑張ってください

ひよこのアイコン

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次