
腓骨神経麻痺を見逃さないための3つの重要症状&臨床に活かせるケアのポイント


実習中、患者さんの足がダラッと垂れて、心配になったことはありませんか?
「腓骨神経麻痺」を見かけて、正直「こんな症状、現場で遭遇するの?」と思う方もいるのではないでしょうか。
確かに、腓骨神経麻痺の症例は日常的に、見かけることは少ないかもしれません。
しかし、臨床で見逃してしまうと、症状の進行や患者さんの歩行に支障を伴うだけでなく、転倒や怪我のリスクも増す可能性があります。
そのためにも、腓骨神経麻痺の3つの重要症状を理解しておくことが大切です。
本記事では、国家試験でもよく出題される「腓骨神経麻痺」について、症状の特徴から、看護ケアのポイントまで解説します。
この記事では、難しい医学用語は使わず、あなたの「なるほど!」を大切にまとめています。
- 腓骨神経麻痺の症状がスッと理解できる
- 実習や国試で自信を持って対応できる
- 看護ケアの優先ポイントが明確になる
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腓骨神経ってどこにあるの?
腓骨神経(ひこつしんけい)は、坐骨神経から分岐し、下肢の外側に広がる重要な神経です。
この神経は、膝の外側を通り、足の甲まで伸びています。
腓骨神経は足の運動や感覚に深く関わっており、足首の背屈(つま先を上げる動き)や感覚を支配しています。
腓骨神経は大きく分けて、次の二つに分かれます。
- 深腓骨神経 – 足の甲側を支配し、足の背屈と指の動きに関与
- 浅腓骨神経 – 足の外側を支配し、足の外反運動に関与
腓骨神経は膝の外側、腓骨頭付近にあるため、圧迫されやすい神経です。
圧迫や損傷が起こると、運動機能や感覚に障害が現れやすいです。
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腓骨神経麻痺の症状
腓骨神経麻痺とは、腓骨神経が圧迫されたり、損傷を受けたりすることで起こる神経障害です。
足を上げる動きや歩行が困難になります。
腓骨神経は足首の背屈を司るため、この動きが制限されると「下垂足(ドロップフット)」が発生します。
腓骨神経が障害を受けると、以下のような症状が出現します。
症状の種類 | 内容 |
下垂足(ドロップフット) | つま先が上がらず、歩くと「パタパタ」と足を引きずるような歩行になる |
感覚障害 | 足の甲や外くるぶしの周辺にしびれや感覚の鈍さがある |
筋力低下 | 足関節の背屈(足首を上に曲げる動き)や外返し(外側に反らす動き)ができない |
なぜ麻痺が起こるの?|よくある原因


腓骨神経麻痺の主な原因は、神経の圧迫です。
腓骨神経の圧迫を引き起こす主な要因は、以下のとおりです。
- 長時間の同一姿勢
- ギプスや包帯による圧迫
- 肥満や高齢者
- 長期的な臥床や安静
ギプスや包帯による圧迫は、腓骨神経麻痺を引き起こしやすい原因です。
ギプスや包帯を巻く技術も磨いていきましょう。
術後の安静制限や、寝たきりの方は長時間の臥床や安静が伴います。
言葉で伝えられない方は、腓骨神経麻痺の危険性は高まり気付くのが遅れることも。
時間を決めて除圧を行うなどの対策を現場では徹底しているので、ぜひ、参考にしてみてくださいね。


看護でできること|予防とケアのポイント


腓骨神経麻痺の治療には、早期発見と適切な看護ケアが重要です。看護師として、患者さんに適切なケアを提供するためには、以下のポイントに注意しましょう。
姿勢の確認と調整
長時間同じ姿勢をとらないことが、腓骨神経麻痺の予防に繋がります。
腓骨神経に外から圧力がかかり、麻痺が進行する可能性があります。
患者さんが同じ方向の側臥位(横向きの姿勢)で長時間寝ている場合、下側の腓骨神経が圧迫される場合があります。
時間を決めて定期的に患者さんの姿勢を確認し、必要に応じて調整することが大切です。
側臥位は、膝の外側に圧力がかからないようにクッションを使って調整しましょう。



定期的な体位変換は、腓骨神経の圧迫を定期的に解除するので、リスクを減少させます。
観察の視点
観察は患者さんの状態を把握し、早期発見に繋がる重要なプロセスです。
腓骨神経麻痺は進行性であるため、早期に症状を発見し、適切な対応が必要です。
観察のタイミングとしては、以下の状況時に意識しましょう。
- バイタルサイン時
- 患者さんが休息している時
- 歩行している時
バイタルサインチェックの際に、足関節の背屈ができるか、足の甲のしびれ・感覚異常の有無を声かけして確認します。
患者さんが横になっている際や、リハビリをしていない時間帯も、足首の状態を確認しましょう。



トイレへの移動などで患者さんが歩行している際に、足を引きずる動きやつまずきがないかを、観察することが大切です。
声かけ・支援
次の場面では、声かけや支援を必要とする場合があります。
- 歩行に不安を感じている
- 長時間の臥床
- ギプスや包帯使用中
患者さんが歩行中に「足が引きずられてしまう」「つまずきやすくなった」など足がうまく動かない言動は注意が必要です。
下垂足(ドロップフット)を引き起こしている可能性があるため、すぐに休ませるよう声かけしてください。
ベッド上で長時間過ごしている患者さんが「足がしびれる」「感覚が鈍い」と訴える場合は、体位変換の声かけをしましょう。
高齢の患者さんや下肢麻痺を抱えている場合、足の麻痺が進行するリスクがあります。
ギプスを装着している患者さんが「足がムズムズする」「何か違和感を感じる」と訴えるケースがあります。
ギプスが神経を圧迫している可能性があるため、すぐに確認しましょう。
看護師として、患者さんの訴えに耳を傾け、適切な声かけと状況に応じたサポートを行い安心感を提供する意識をしましょう。
医療チームとの連携
腓骨神経麻痺の回復を早めるためには、リハビリスタッフとの連携が重要です。
リハビリを早期に開始することで、回復を早め、麻痺の進行を防ぐことが可能です。
リハビリでは、足首や足の筋力を強化する運動が含まれ、麻痺による機能低下の軽減が図れます。
ギプスや包帯で足が固定される患者さんや、長時間同じ姿勢で寝ている患者さんには、腓骨神経麻痺の予防的リハビリが重要です。
神経の圧迫を防ぐために、体位変換や筋力維持を目的としたリハビリを早期に行うことが役立ちます。
リハビリの開始時期と内容については、医師や理学療法士と連携しながら、患者さんの状態に最適な方法で進めていきます。



常に患者さんの状態を把握し、治療やリハビリの進行をサポートすることで、早期回復を支援できます。
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腓骨神経麻痺に関する国家試験問題


腓骨神経麻痺は、国家試験でもよく出題されるテーマです。
試験で出題された過去の問題を3つ紹介します。
第110回看護師国家試験 午前 問125
腓骨神経麻痺によってみられるのはどれか。
- 膝関節の屈曲障害
- 足関節の底屈障害
- 足関節の背屈障害
- 足関節の内返し障害
答え
3.足関節の背屈障害
腓骨神経は、足首を上にあげる背屈の動きをつかさどる筋肉を支配しています。
腓骨神経麻痺が起きると「つま先が上がらなくなる」という症状(ドロップフット)が現れるため、歩行時に足を引きずるのです。
他の選択肢は以下の理由で不正解です
1. 膝関節の屈曲障害:膝関節の屈曲は、大腿二頭筋(坐骨神経支配)に関連しており、腓骨神経の機能とは無関係です。
2. 足関節の底屈障害:足関節の底屈(つま先を下げる動き)は主に脛骨神経による支配です。
4. 足関節の内返し障害:内返しは脛骨神経が支配する動作であり、腓骨神経麻痺とは関係ありません。
第115回看護師国家試験 午前 問120
腓骨神経麻痺の患者に見られる症状として最も適切なのはどれか。
- 足関節の内反障害
- 足関節の背屈障害
- 膝関節の伸展障害
- 足関節の底屈障害
正解
2.足関節の背屈障害
腓骨神経麻痺によって最も顕著に現れる症状は、足関節の背屈障害です。
他の選択肢は以下の理由で不正解です
1. 足関節の内反障害:これは脛骨神経による支配で、腓骨神経麻痺では見られません。
3. 膝関節の伸展障害:膝関節の伸展は大腿四頭筋(大腿神経)によって支配されるため、腓骨神経麻痺とは関係ありません。
4. 足関節の底屈障害:足関節の底屈は脛骨神経が担当する動作であり、腓骨神経麻痺では直接関与しません。
第110回看護師国家試験 午前 問138
腓骨神経麻痺を引き起こす原因として最も可能性が高いのはどれか。
- 長時間の同一姿勢での就寝
- 外傷による膝部の外側の圧迫
- 骨折後のギプスによる圧迫
- 足の爪の巻き込みによる圧迫
正解
3 骨折後のギプスによる圧迫
適切なリハビリテーションやギプスの縁が腓骨神経付近に圧迫を与えないよう、適切に広げるか、スペースを作るなどギプスの調整で予防できます。
他の選択肢は以下の理由で不正解です
1. 長時間の同一姿勢での就寝:同一姿勢での就寝が直接腓骨神経麻痺を引き起こす可能性は低いです。
2. 外傷による膝部の外側の圧迫:膝の外側が圧迫されると腓骨神経が圧迫されることがありますが、外傷の程度や場所によっては神経麻痺に至らないこともあります。
4. 足の爪の巻き込みによる圧迫:巻き爪が原因で腓骨神経麻痺が起こることはありません。
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まとめ|腓骨神経麻痺の学びをギュッと整理!
腓骨神経麻痺の症状を早期に見逃さず、適切なケアを行うことが、患者さんの症状の出現を防いだり、回復を促進する鍵となります
以下のポイントを押さえて、実際の看護や国家試験でも自信を持って対応しましょう。
- 症状:足の甲の感覚障害・つま先が上がらない(下垂足)
- 原因:圧迫やギプス固定、長時間の同一体位
- ケア:姿勢調整や定期的な観察、予防と早期リハビリ介入
腓骨神経麻痺の理解は、患者さんの異変にいち早く気付き、回復をサポートできます。
下垂足や感覚障害に気づけると、患者さんの生活の質向上にも繋がります。
国家試験においても腓骨神経麻痺は出題されやすい内容です。
試験対策として押さえておくべきポイントを整理しました。
- 足関節の背屈障害が出題されやすい。
- 問題キーワード:「足を上げられない」「歩行時に足を引きずる」などの症状
- 症例問題:腓骨神経麻痺の原因や、治療・予防方法が問われることが多い
- 看護介入問題:姿勢の調整・リハビリを含む早期介入
試験で出題されるポイントを事前に押さえておくと、実際の看護実習でも自信を持って対応でき、問題を解くスピードも向上します。
早期発見や適切なケアを提供できる看護師を目指しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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