フィブリノゲン問題が得意になる!基準値と凝固機能の関係を理解できる国試突破解説!

看護学生さん

フィブリノゲンっていろいろなところで見聞きするけど、ちゃんと理解できてない…。

末吉

ちゃんと理解するのは難しいですよね。
患者さんの状態を教えてくれる検査結果なので、整理しましょう!

「出血に関係するタンパク質」…の印象で、実際の働きや病態との関係が、あいまいになっていませんか?

看護師になってからも、頻繁に見聞きしますが、意外と詳細を知らない人が多いことも……

フィブリノゲンは、血を固める凝固反応に大切な役割を持っているタンパク質で、病態の把握や、治療方針の選択などにおいて、指標となる検査結果の1つです。

この記事でわかるフィブリノゲン知識
  • 基礎知識(役割・基準値・異常病態)
  • 異常で起こる体の変化
  • 看護師国家試験過去問題

基本的知識と必要性を理解して、国家試験を突破しましょう!

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目次

フィブリノゲンとは?基礎おさらい!

フィブリノゲンは、血液凝固に関連して国家試験に頻出するワードです。

特に、播種性血管内凝固症候群(DIC)や肝機能障害などで低値となる場合は、臨床でも重要な指標になります。

次の項目を解説しますね。

  • フィブリノゲンの役割
  • フィブリノゲンが低下する病態は?
  • フィブリノゲンが増加する病態は?

 フィブリノゲンの役割

フィブリノゲンは、肝臓で作られる血漿タンパク質であり、血液凝固に関与する「凝固因子」(第I因子)です。

凝固機能で起こる連鎖反応をカスケードといいます。

カスケードとは…

「凝固因子」が連鎖的に反応をしていき、最終的に血栓(かさぶた)を形成するまでの過程

凝固カスケードの最後に登場するのが「フィブリノゲン」と「トロンビン」と「フィブリン」です。

フィブリノゲンは凝固因子のうちの1つで、トロンビンの作用でフィブリノゲンからフィブリンに変化します。

このフィブリンが網目状に広がって血栓(かさぶた)を形成し、出血を止めてくれます。

末吉

つまり、血液を固めるための材料であるフィブリノゲンが減少する=何かしらの影響で凝固が亢進している状態を示します。

フィブリノゲンの基準値と異常値は、以下のとおりです。

異常低値基準値異常高値
フィブリノゲン100 mg/dL未満200~400 mg/dL700 mg/dL以上

※測定方法や検査機関によって多少の差があります。

 フィブリノゲンが低下する病態は?

フィブリノゲンが少なくなる状態は、主に以下の疾患が挙げられます。

  • DIC(播種性血管内凝固症候群)
  • 肝機能障害(肝硬変など)
  • 先天性フィブリノゲン欠乏症
  • 血液疾患(白血病など)
  • 線溶系(血栓を溶かす)が過剰に働いた場合(線溶亢進)

この中で注目して欲しいのは、DICと肝機能障害です。

どちらもフィブリノゲンが減少する病態ではありますが、機序が全く異なります

詳しくは、次のセクションで解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 フィブリノゲンが増加する病態は?

フィブリノゲンは、妊娠や運動、年齢など生理的変化で高くなる場合もあります。

フィブリノゲンが増加する場合は、以下の病気が関連している可能性があります。

  • 急性期炎症
  • 感染症
  • 心筋梗塞などの血栓性疾患
  • 悪性腫瘍
末吉

フィブリノゲンが上昇している場合は、検査項目で「炎症所見」の項目を一緒に照らし合わせてチェックするようにしましょう。

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看護師国家試験で問われる体の中の変化とは?

国家試験では、フィブリノゲンの異常値、特に異常低値による病態や、他の検査項目との関連を問われることが多いです。

特に注目したいのは、以下のケースです。

  • 肝機能障害とフィブリノゲン
  • DICとフィブリノゲン

 肝機能障害とフィブリノゲン

フィブリノゲンは、肝臓で作られる凝固因子であるため、肝臓の機能が正常に保たれない場合は、凝固因子の産生に影響を与えます。

肝機能障害が起こると、フィブリノゲンが少なくなります。

止血するための材料が足りなくなり、血が止まりにくくなるのです。

 DICとフィブリノゲン

DICは、全身に細かい血栓を形成することで、臓器に障害を引き起こす病態です。

全身で血栓が作られると、血栓の材料になる「凝固因子」がたくさん使われてしまいます。

「凝固因子」の1つであるフィブリノゲンも急激に使われてしまうため、血中濃度が大きく低下し、出血傾向になるのです。

結果として、凝固に関する検査を実施すると次のような変化がみられます。

検査項目DICにおける検査結果
フィブリノゲン低下
血小板数低下
FDP・Dダイマー上昇
PT・APTT延長

この検査結果は、以下の流れで悪循環が起こる可能性があります。

STEP
血栓形成・凝固反応

血を固めようとする

STEP
線溶反応

元の状態に戻そうとして、血栓を溶かす反応が起こる

STEP
血を固めるための材料が尽きる

フィブリノゲンが低下

STEP
出血しやすくなる

その他凝固検査項目

凝固検査に関する他の項目もおさらいしておきましょう。

血小板とは
  • 血を止めるときに最初に活躍する血球
  • 血栓(かさぶた)の主な構成成分
  • 凝固反応が起きると使用されるため、血小板数が低下

血栓(かさぶた)は、血小板により作られた一次血栓に、網目状に広がったフィブリンが覆いかぶさることで、強固になります(二次血栓)。

PT(プロトロンビン時間)・APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)とは
  • フィブリノゲンからフィブリンが形成されるまでの時間を測定
  • PTは凝固因子のうち外因系の異常を検出
  • APTTは凝固因子のうち内因系の異常を検出

 「凝固因子」が減少するようなときには、PTやAPTTが延長します。

FDPやDダイマーとは
  • 線溶系(余分なかさぶたを取る)が作用し、フィブリンを溶かすことで生じる物質
  • フィブリノゲンからフィブリンが形成された(凝固反応)後に、線溶反応が起きた証拠

これらは、凝固系の異常を総合的に判断するうえで重要な指標になります。

フィブリノゲンに関連した看護師国家試験を解いてみよう!

 第96回(2007年) 午前11問

血液凝固に関連するのはどれか。

  1. ヘモグロビン
  2. フィブリノゲン
  3. マクロファージ
  4. エリスロポエチン
答え

2

フィブリノゲンは肝臓で産生される凝固因子の1つでしたね!

「肝機能障害でフィブリノゲンが低下する」要点をおさえておきましょう。

その他の補足は以下のとおりです。

  • ヘモグロビン:赤血球内に含まれる酸素を運んでくれるタンパク質
  • マクロファージ:白血球の1つで、貪食細胞に該当
  • エリスロポエチン:腎臓で産生される赤血球の増加に関連するタンパク質

 第101回(2012年) 午後32問

播種性血管内凝固<DIC>で正しいのはどれか。

  1. フィブリノゲン分解産物<FDP>値の減少
  2. 血漿フィブリノゲン濃度の低下
  3. プロトロンビン時間の短縮
  4. 血小板数の増加
正解

2

DICは「凝固因子」や血小板が大量に使用されて減少します。

その結果、血液が固まるまでの時間が延長するため、プロトロンビン時間(PT)が長くなります。

DICでは血液凝固反応が亢進しますが、一方で血栓(かさぶた)を溶かす反応(線溶系)も亢進します。

フィブリンが分解されて、かさぶたが壊れます。フィブリンが分解されて生じる物質が、FDPやDダイマーです

DICでは凝固と線溶が同時に起こるために、FDPやDダイマーが増加するのです。

検査項目DICにおける検査結果
フィブリノゲン低下
血小板数低下
FDP・Dダイマー上昇
PT・APTT延長
末吉

似たような名前の項目が並ぶため、「上がるのか、下がるのか?」をきちんと整理しておくことが大切です。

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フィブリノゲンは血液を固める材料!

フィブリノゲンは肝臓で産生される、血液を固めるために必要なタンパク質(第I因子)です。

基準値:200〜400 mg/dL

異常低値(100 mg/dL未満):DIC、肝硬変などの肝機能障害

異常高値(700 mg/dL以上):炎症や悪性腫瘍、妊娠など

フィブリノゲンは、病態と合わせて国家試験に頻出される大事なタンパク質です。

また、国家試験に出題されるだけでなく、臨床でも大切な検査結果になります。

特に100 mg/dL未満の異常低値を示す場合は、凝固反応がうまく働かない出血傾向(出血しやすい状態)を示すため注意が必要です。

末吉

フィブリノゲンは血液を固めるための材料であるとイメージすると、記憶に残りやすくなりますよ!

最後までお読みいただきありがとうございました。

このブログ記事が、あなたの看護師国家試験対策の一助となれば嬉しいです。

試験勉強、頑張ってくださいね!

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