国試&実習&日常にも大事なコミュニケーションスキル
第100回看護師国家試験の過去問題です。
今回は先に答えを案内します。
患者さんの性格や疾患も色々です。否定的な言動は患者さんが看護師に心の一部を見せている証にもなります。患者さんのサインを受け止めて、何を求めているのかをくみ取ることも看護だと思います。
今回は私が経験した一例を紹介します。ぜひ、参考にして頂けると幸いです。
否定的言動を受容する際の声かけと姿勢
俺はもう、きっとこのまま治らないよ。
私は消化器外科病棟に勤務していたので「癌」と向き合う患者さんが多かったです。治療経過は数年かけるので、いつまで続くのか先の見えない将来を不安視されている方が多いです。自分でも不安を抱えて毎日生きていくのは辛いです。
そんな不安や葛藤を言葉や表情としてサインを示してくれていると思うと、真摯に顔を見ながら話を聞いて、何に対して不安を感じているのか知る必要があります。不安に感じている原因を知ったうえで受容している姿勢や言動を示します。
入院生活がいつもより長引いていると不安になりますね。
何を伝えたいのか分からなくても、知ろうとしている姿勢だけでも相手に伝わるものはあります。
否定言動を受容した患者の反応
人は誰しも自分の話を聞いて、受容してくれると自己肯定感が芽生えます。そして、気持ちが分かってもらえると嬉しく気持ちが少し軽くなります。
でも、家族が待ってくれているから頑張らないとね。
不安が完全に拭えるわけでは無いですが、気持ちを前向きにすることはできます。「病は気から」と言いますが、前向きな方は主治医の指示通りにリハビリをしまくります。前向きになると行動する力が出てくるので、治療が自然といい方向に進む場面を目の当たりにしてきました。
否定言動を拒否した患者と家族の会話
こんなに大変なら手術をしなければ良かった。
自分でするって決めたじゃん。
そうだけど、痛いし、夜も眠れないし。毎日こんな痛いの、分からないでしょうが。
痛み止め使ったらいいよ。
使ってるよ、もういい。
否定を受容する家族が基本的には多いですが、たまにこういった会話を聞きがちです。自分の意見を否定されたら親でも悲しいものです。そして、個人的な信頼関係も崩れてしまいかねます。後ろ向きな気持ち、信頼関係が無ければ医療従事者にも心を開かず、言いたいことも言えず、苦しい状況になりがちです。伝えて欲しい症状を隠していたり、医師の指示を守れずにお菓子や喫煙をしたり…あらぬ方向に進むこともあります。
安心した療養生活を送るためには、日ごろの関わり方と関係性が大事だと日々感じます。
まとめ
今回はキューブラー・ロスによる5段階モデルが参考になると思いますが、否定言動を受容することは家族や友人など日常会話にも必要だと感じます。私も日々育児の大変さを母に訴えることがありますが、否定されると
今と昔は違うんだよ!
と言ってしまいがちです。でも、母も昔同じ経験をした話を聞くと
3人の子育て大変だったんだな。うちはまだ一人目なのに、お母さんはすごいなぁ。
となります。心変わりがすごいですね。笑
それぐらい「受容」は人の気持ちを左右させるものだと思います。日頃から実践して看護実習のコミュニケーションの参考になって頂けると幸いです。
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