
看護学生向け|百日咳とは?症状・看護ケア・国家試験対策を徹底解説!


百日咳って、子どもだけの病気じゃないの?



症状が長引くって聞いたけど、看護で大切な視点って何だろう?



百日咳は成人でも発症する可能性があります。患者さんの年齢や症状の段階に応じたケアが重要なので、一緒に学習しましょう!
百日咳は、子どもから大人まで幅広い年齢層で見られる呼吸器感染症です。
特に最近では、ワクチンの免疫が切れた成人が感染源となり、乳児にうつしてしまうケースも問題になっています。
国家試験でも「誰に・どんな症状が・どのように現れるのか?」を問われるため、他の呼吸器疾患との違いや看護のポイントを正確におさえておくことが大切です。
- 百日咳の基礎知識(定義・原因・症状)
- 百日咳が注目される背景について
- 国家試験での出題例とポイント
- 看護ケアで押さえておきたい注意点と対応のコツ
国家試験本番で迷わず選べるように、そして実際の看護でも自信をもって対応できるように、今のうちにしっかり理解しておきましょう!
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百日咳とは?特徴と分類をわかりやすく解説


百日咳の基本的知識や、特徴的な症状や経過を合わせておさえておきましょう。
- 百日咳の定義と原因菌
- 百日咳の特徴的な咳発作とは?
- 主な症状の経過
それぞれ説明しますね。
百日咳の定義と原因菌
百日咳は、百日咳菌(Bordetella pertussis)によって引き起こされる急性の呼吸器感染症です。
- 感染経路:飛沫感染や接触感染
- 潜伏期間:7~10日
- 特徴的な咳発作が長期間(数週間〜数か月)続く



感染者の咳やくしゃみから他の人にうつらないように、マスクの着用や手指衛生の徹底が重要です!
百日咳の特徴的な咳発作とは?
百日咳の咳発作は、数回から十数回の激しい連続した咳のあとに、ヒューッという笛のような吸気音「whoop(ウープ)」を伴うのが特徴です。
特に乳児では、呼吸困難や無呼吸発作につながることもあり、注意が必要です。
成人では、特徴的な咳発作がみられないことも多く「長引く咳」として、他の病気と区別がつきにくい傾向があります。
特に高齢者では、咳に加えて体力の消耗や食欲低下を招くこともあるため、早期の対応が重要です。



夜間にひどくなるのが特徴で、見ているこちらもツライところ…
主な症状の経過
百日咳は、以下の3段階で経過するのが特徴です。
段階 | 症状の特徴 | 期間の目安 |
カタル期 | 軽い風邪のような症状 (鼻水、くしゃみ、微熱) | 約1~2週間 |
痙咳期 | 特徴的な連続性の咳発作 (咳のあとに笛のような吸気音) | 約2~6週間 |
回復期 | 咳が徐々におさまるが、軽度の咳は継続 | 数週間~数か月 |



百日咳は経過が長く、どの時期かによって症状も変わるので、観察の視点がとても大切です!
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百日咳のワクチンについて
百日咳は、ワクチンで予防可能な感染症です。
現在の日本では、5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)が主に使われています。
これは、ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ・Hibの5つの感染症に対する免疫を一度に得ることができるワクチンです。
- 生後2か月から開始し、20〜56日間隔で3回接種
- 最後の接種から6か月以上あけて追加接種(計4回)
- 11〜12歳時にDTワクチン(ジフテリア・破傷風)を追加で接種(百日咳成分は含まれない)
百日咳に対する免疫は、時間の経過とともに弱まっていくため、思春期や成人での感染例も増えています。
特に乳児と接する医療従事者や保護者は、自身が感染源とならないよう、追加のワクチン「Tdap(ティーダップ)」を任意で検討することが推奨される場合もあります。



母子手帳をチェックして、打ち忘れがないかを確認するのも大切ですよ。


なぜ百日咳が注目されている?現場・社会背景と国家試験での出題


ここ数年、百日咳が再び注目されています。
新型コロナ流行中は、外出制限やマスク着用の徹底で百日咳を含む多くの感染症が一時的に減少しました。
しかし、コロナ収束に伴い人の移動や交流が戻ると「感染の空白期間」 を埋めるかのように、呼吸器感染症が再び流行。
百日咳も、そのひとつとして警戒が高まっています。



「大人が咳をしているだけだと思ったら、実は百日咳だった」というケースに出会ったことがあります。
看護師としては、「子どもだけの病気」と思い込まずに、大人も感染する病気であることを意識する必要があります。
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国家試験の過去問と解説
百日咳に関する問題は、他の呼吸器感染症の知識と合わせて出題されています。
実際に出題された問題を確認しましょう。
第99回 午後76問 救急看護・クリティカルケア
1週前に廃材で深い刺傷を負った建築作業員。昨日から顔のゆがみと開口障害があり、今朝から発語障害、呼吸困難およびけいれんが出現したため搬入された。最も考えられるのはどれか。
- 梅毒
- 百日咳
- 破傷風
- 流行性耳下腺炎
- マイコプラズマ感染症
答え
3(破傷風)
<解説>
この問題では、「傷を負った1週間後に顔のゆがみや開口障害、けいれんが出現」という、破傷風を強く疑うエピソードが示されています。
百日咳は飛沫感染による呼吸器感染症で「咳が長引く」「痙咳発作」が特徴です。
外傷歴や神経筋症状はみられず、本設問のような経過とは合致しません。
<その他の選択肢の解説>
1. 梅毒
性感染症で、初期には性器や口腔内に痛みのないしこり(硬性下疳:こうせいげかん)が出現します。
進行すると皮膚症状や神経梅毒を起こすこともありますが、短期間でけいれんや呼吸障害を起こすような経過は極めてまれです。
3. 破傷風(正答)
土壌や廃材などに存在する嫌気性菌で、傷から侵入し毒素を産生します。
開口障害、顔面のけいれん、全身の筋硬直、後弓反張、呼吸困難といった症状を引き起こします。
今回のような症例では、まず疑うべき感染症です。
4. 流行性耳下腺炎(ムンプス)
いわゆる「おたふく風邪」で、耳下腺の腫れ、発熱、耳の痛みが主な症状です。
外傷やけいれんとの関連はなく、除外できます。
5. マイコプラズマ感染症
学童〜若年成人に多い呼吸器感染症で、発熱や乾いた咳、気管支炎・肺炎を引き起こします。
こちらも、外傷や筋硬直とは無関係です。
第107回 午後73問 人と病原体の関わり
院内感染の観点から、多剤耐性に注意すべきなのはどれか。
- ジフテリア菌
- 破傷風菌
- 百日咳菌
- コレラ菌
- 緑膿菌
答え
5(緑膿菌)
<解説>
百日咳菌は、飛沫感染によって広がる上気道感染症の原因菌であり、入院中の患者に広がるタイプの院内感染の原因としてはあまり重要視されていません。
また、抗菌薬が効きにくい「多剤耐性菌」としても問題になることは少ないです。
一方で、緑膿菌は代表的な多剤耐性菌で、免疫力の低い入院患者に重い感染症を引き起こすことがあるため、院内感染対策で非常に注意が必要です。
<その他の選択肢の解説>
1. ジフテリア菌
→咽頭や喉頭に偽膜性炎症を起こす感染症で、ジフテリア毒素が全身症状の主因です。
現在はDPTワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)により国内での発症例はまれであり、また多剤耐性菌としての問題はほぼありません。
2. 破傷風菌
→傷口から体内に侵入し、毒素によって筋肉のけいれんや硬直を引き起こします。
こちらも人から人へは感染せず、院内感染の観点ではリスクは低いです。
DPTワクチンにより予防可能な疾患でもあります。
4. コレラ菌
→主に発展途上国の衛生環境が不十分な地域で、水や食品を介して感染が広がります。
日本国内での発症はきわめてまれで、病院内で人から人に感染することはほとんどありません。
また、抗菌薬耐性も院内感染レベルでは注目されていません。
5. 緑膿菌(正答)
→典型的な院内感染菌であり、特に「多剤耐性緑膿菌(MDRP)」は治療選択肢が限られるため問題視されています。
水回りに強く、人工呼吸器、尿道カテーテル、ドレーンなど医療器具の使用が感染リスクを高めます。
免疫低下患者に敗血症などの重篤な感染症を起こすこともあり、院内感染対策の要警戒菌です。
第109回 午後30問 疾患と看護
成人の急性扁桃炎の原因となる菌はどれか。
- 百日咳菌〈Bordetella pertussis〉
- 黄色ブドウ球菌〈Staphylococcus aureus〉
- インフルエンザ菌〈Haemophilus influenzae〉
- ヘリコバクター・ピロリ〈Helicobacter pylori〉
答え
2(黄色ブドウ球菌)
<解説>
急性扁桃炎は、咽頭・扁桃に炎症を起こす急性上気道感染症のひとつで、原因の多くはウイルスや細菌感染によります。
成人の場合、細菌性では溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)や黄色ブドウ球菌が代表的な原因菌です。
百日咳菌は扁桃を直接攻撃するような菌ではなく、咽頭痛や嚥下痛といった急性扁桃炎の典型症状とは合致しません。
< その他の選択肢の解説>
2. 黄色ブドウ球菌〈Staphylococcus aureus〉(正答)
→ 皮膚や鼻腔に常在する細菌で、免疫が低下した際に咽頭や扁桃に感染し、急性扁桃炎の原因になります。
特に、膿性分泌物がある場合や重症化している扁桃炎では、細菌性が疑われ、黄色ブドウ球菌や溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)が原因となっていることがあります。
3. インフルエンザ菌
→ 細菌性の呼吸器感染症の原因菌として知られ、小児の中耳炎や気管支炎、肺炎の原因になります。名前に「インフルエンザ」とありますが、ウイルスではなく細菌です。成人では、慢性呼吸器疾患のある人に肺炎を引き起こすこともありますが、扁桃炎の原因菌としてはまれです。
4. ヘリコバクター・ピロリ
→ 胃の中に生息する細菌で、胃炎・胃潰瘍・胃がんなどの消化器疾患と関連しています。
咽頭や扁桃との関連性はなく、急性扁桃炎の原因菌とはなりません。
「ピロリ菌=胃」と即座に結びつけられるように、ジャンルを区別して覚えておくことが大切です。



国家試験では、「疾患名と原因菌・ウイルス」を正確に結びつけられるかが重要です。
語感が似ていたり、呼吸器感染症同士で混乱しやすい選択肢が並ぶことが多いので、「なぜ違うのか?」をセットで学ぶと、知識の定着が深まりますよ。
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百日咳の理解を深めて、国家試験を突破しよう
百日咳は、百日咳菌による飛沫感染症で、特徴的な咳発作が長期間続くのが大きな特徴です。
- 経過は「カタル期 → 痙咳期 → 回復期」の3段階
- 小児は重症化リスクあり(無呼吸・けいれんなど)
- 成人はただの咳と見過ごされやすく、感染源になりやすい
- 国家試験では他の呼吸器疾患との区別が問われる傾向あり



「ただの咳」と軽く見ず、病態の全体像をとらえておくことが、看護師としても、試験対策としても大切ですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
このブログ記事が、あなたの看護師国家試験対策の一助となれば嬉しいです。
引き続き、受験勉強頑張っていきましょう!


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