BCGワクチンの特徴と看護のポイントを解説！国試出題する副作用は〇〇！

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実は、ワクチンの種類や作用だけでは、国家試験や臨床対応に不十分です。

ワクチンには、副作用があるため接種後の観察が大切です。

乳幼児は、自分で訴えられないため、臨床現場では家族への指導を徹底しています。

過去の国家試験では「接種後の観察について」出題されており「何を観察すべきか」理解する必要があります。

「なんとなく知ってる」から「ちゃんと説明できる」レベルまで理解すると、国家試験対策や看護師になったあとも臨床で活用できます。

 問題に解答できる知識を習得しましょう。

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まずは押さえたい！BCGワクチンの基本

過去の国家試験では、BCGワクチンが必修問題で出題されているため、基礎的知識をおさらいしましょう。

• BCGワクチンの目的
• 定期接種と任意接種の違い
• BCGワクチンの接種時期と効果
• BCGワクチンの特徴的な接種方法

BCGワクチンの目的

BCGは結核の予防を目的とした、生ワクチンの一種です。

小児期の結核感染による重篤な髄膜炎や、粟粒結核（ぞくりゅうけっかく）を予防するために接種します。

以前はBCGワクチン接種の前に、ツベルクリン反応検査で結核菌への感染の有無を調べていました。

2005年(平成17年)4月よりBCG接種前のツベルクリン反応検査は廃止され、直接BCGワクチンを接種するようになりました。（参考：厚生労働省ホームページ）

定期接種と任意接種の違い

BCGワクチンは定期接種です。定期接種と任意接種の違いは次のとおりです。

定期接種：予防接種法に基づいて市区町村が主体となり、公費負担で実施
任意接種：接種を希望する人が自己負担で実施

定期接種と任意接種ワクチンには、以下の種類があります。

【小児期の定期接種と任意接種のワクチン】

定期接種ワクチン	任意接種ワクチン
B型肝炎 ロタウイルス 小児用肺炎球菌 五種混合（破傷風、ジフテリア、百日咳、ポリオ、ヒブ） BCG MR（麻疹、風疹） 水痘 日本脳炎 HPV（ヒトパピローマウイルス）	おたふく インフルエンザ 髄膜炎 コロナウイルス

BCGワクチンの接種時期と効果

BCGワクチンは生後5〜8ヶ月の間(原則、生後1歳まで)に1回接種します。

接種効果は厚生労働省のホームページで以下のように説明されています。

生後1歳までのBCGワクチン接種により、小児の結核の発症を52〜74％程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64〜78％程度罹患リスクを減らすことができると報告されています。

引用元：厚生労働省

BCGワクチンの特徴的な接種方法

BCGワクチンは、他のワクチンと接種方法が異なります。

一般的なワクチンは、薬液を注射器で皮下注射しますが、BCGワクチンは薬液を上腕に垂らし、はんこ型の器具（管針）を腕に押しつける方法です。

見た目が『はんこ』のような器具を使うことから、『はんこ注射』という呼び名で知られています。

見落としてない？BCGワクチン接種後の観察ポイント

BCGワクチンは接種して終わりではありません。

過去の国家試験では、BCG接種後の経過観察が出題されました。

接種後に注意すべき反応とその意味

通常、BCGワクチン接種後10日以降に、接種部位が赤く膿みが出始めます。

その後、１〜2ヶ月頃に強い反応が現れて、やがて乾燥し小さな傷跡になります。

ただし、通常の反応とは異なる強い反応が出る場合は『コッホ現象』の可能性があり、重要な観察ポイントです。

病院受診の目安は、BCGワクチン接種後7日〜10日程度で、注射部位に強い反応が現れた場合です。

コッホ現象が出現した子どもの保護者対応は、過去に出題されたので、おさえておきましょう。

ワクチンの種類と特徴をあわせて理解しておこう！

BCG以外の生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドについては以下の表にまとめました。

過去の国家試験ではワクチンの種類についても、出題されています。

ワクチンの分類を理解しておくと得点につながります。

また、ワクチンには接種間隔が定められています。

生ワクチンが体の中に入ると、病原体が増え、それに対する免疫反応で免疫を獲得していきます。

免疫が作られるまでには一定の期間が必要なため、間隔をあけずに次の生ワクチンを打ってしまうと、生ワクチン同士で干渉しあい、どちらの免疫獲得も不十分になります。

BCGワクチンなどの生ワクチンを打つ場合、次回は『27日以上間隔をあける』必要があります。

不活化ワクチン、トキソイド、ロタウイルスワクチン（生ワクチンの経口接種）は接種間隔に制限はありません。

実際にでた！過去問から学ぶ実践チェック

過去に出題された看護師国家試験問題を実際に解いてみましょう。

実際に解くことでより理解を深められます。

第111回｜BCG接種後の対応

発育と発達に遅れのない生後6か月の男児。BCG接種の翌日に接種部位が赤く腫れ次第に増悪して膿がみられたため、母親は接種後4日目に医療機関に電話で相談し、看護師が対応した。児に発熱はなく、哺乳や機嫌は良好である。

このときの看護師の説明で適切なのはどれか。

1. 「通常の反応です」
2. 「速やかに来院してください」
3. 「1週間後にまた電話をください」
4. 「患部をアルコール消毒してください」

接種後10日以内で接種部位が赤く腫れ、増悪している場合はコッホ現象の可能性があります。

子どもの保護者には、病院受診を促す対応が必要です。

第109回｜接種対象について

幼児を対象とする定期予防接種はどれか。

1. DTワクチン（二種混合）
2. ロタウイルスワクチン
3. BCGワクチン
4. 水痘ワクチン

水痘ワクチンのみ1歳(幼児)からの接種になります。

DTワクチンは、11歳ごろの接種が推奨されているため、幼児は対象ではありません。

ロタウイルスは生後6週から可能で、他のワクチンとの同時接種を考慮し、生後2ヶ月からが最適とされています。

BCGワクチンの接種時期は、生後５〜8ヶ月ごろです。

第111回｜生ワクチンについて

予防接種に生ワクチンが使用される疾患はどれか。2つ選べ。

1. ジフテリア
2. 日本脳炎
3. 破傷風
4. 結　核
5. 麻　疹

生ワクチンは、BCG(結核)と麻疹です。

ジフテリア、破傷風はトキソイド、日本脳炎は不活化ワクチンです。

第98回改変｜接種回数について

予防接種法で1回のみの接種とされているのはどれか。

1. BCG
2. 日本脳炎
3. 四種混合（DPT‐IPV）
4. 麻疹風疹混合（MR）

BCGは、生後5〜8ヶ月の間に1回のみ接種します。

第112回｜定期予防接種について

定期予防接種について正しいのはどれか。

1. BCG接種前にツベルクリン反応を実施する。
2. ロタウイルスワクチンは不活化ワクチンである。
3. ポリオウイルスワクチンの定期接種は廃止された。
4. 麻疹ウイルスワクチンは就学までに4回接種する。
5. ヒトパピローマウイルス〈HPV〉ワクチンは筋肉内注射する。

BCGワクチン接種前のツベルクリン反応検査は、2005年以降廃止され、直接BCG接種になりました。

ロタウイルスは生ワクチンに該当します。

ポリオウイルスワクチンは、定期接種で2024年4月1日から五種混合ワクチンに含まれています。

麻疹ウイルスワクチンは、1歳ごろに1回、小学校入学前の1年で1回の合計2回の接種です。

ヒトパピローマウイルス〈HPV〉ワクチンは、小学校6年生〜高校1年生相当の女子を対象としており、筋肉内注射で6ヶ月の間に計3回接種します。

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まとめ｜国家試験に出る！BCGワクチンのポイントを整理

BCGワクチンのポイントは、基礎を理解したうえでの副作用の観察が大切です。

BCGワクチン以外の予防接種問題が国家試験で出題されているため、理解しておきましょう。

生ワクチンは種類が限られているため、確実に押さえておくと解答に便利です。

生ワクチンの種類を覚える、簡単な語呂合わせを紹介します。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

国家試験対策の鍵は『反復学習』です。

過去の問題を繰り返し解くことで、柔軟に理解できる力が身につき、自信につながります。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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