抗凝固薬とビタミンKが拮抗する理由を解説

こんにちは、急性期病院で看護師15年以上勤務している母主です

 

今回は抗凝固薬とビタミンKの関係性について解説します

 

 

看護師

抗凝固薬と抗血小板薬の違いはご存知でしょうか

 

どちらも、血栓を作らない血液をサラサラにする役割がある

 

でも、何が違うのか

 

なぜ、抗凝固薬にビタミンKが関係するのか

 

今回はココを解説していきます

⭐︎  今回おすすめの学生さん ⭐︎
・抗凝固薬と抗血小板薬の違いが、いまいちわからない
・抗凝固薬とビタミンKはなぜ拮抗作用があるのか分からない
・そもそも、ビタミンKの役割って?

 

では、結論まとめから紹介します

・ビタミンKは凝固因子を促しフィブリン血栓を作る
・ワーファリンは凝固因子を阻害する抗凝固薬
・ワーファリンとビタミンKは拮抗作用がある
抗血小板薬は動脈、抗凝固剤は静脈に関与する

 

 

それぞれの役割を理解すると国家試験も解きやすいです

 

看護師として就職してもずっと、この知識は活躍します

 

絶対に損をしない知識です

 

気になる方は、最後までぜひ、ご覧ください

 

 

ビタミンKとワーファリンの関係性

ビタミンKの役割

 

ビタミンKとは、脂溶性ビタミンの一種です

 

【ビタミンKの役割】

  • 肝臓の中で血液凝固因子を活性化する→血液凝固を促す
  • カルシウムを骨に沈着させる→骨の形成を促す

 

【ビタミンKが不足すると】

  • 消化器官からの出血、鼻血など出血が止まりにくくなる
  • 骨折を招きやすくなる

 

ビタミンKは血液凝固に関わる大事な栄養素です

ワーファリンの役割

 

 

・ビタミンKの働きを抑制することで血栓予防の抗凝固薬となる

 

・血が固まりにくいため、血液の流れが良くなる

抗凝固薬と抗血小板薬の違いは?

 

 

 抗血小板薬抗凝固薬
役割血小板の働きを抑制フィブリン血栓を抑制
血栓形成場所動脈で生成されやすい静脈で生成されやすい
適応疾患狭心症
心筋梗塞
脳梗塞(心原性脳梗塞以外)
川崎病 など
心房細動
血栓塞栓症(静脈血栓
心筋梗塞、肺塞栓など)
手術、エコノミー症候群による
血栓形成リスクのある人
一般名(商品名)アスピリン
(バイアスピリン、バファリン)
クロピドグレル(プラビックス)
シロスタゾール(プレタール)
ヘパリンナトリウム
(ヘパリン、へパフラッシュ)
ワーファリンカリウム
(ワーファリン、ワーファリンカリウム)

 

血小板血栓は動脈で生成しやすいので、動脈硬化が関与する血栓を予防する時に用いられます

 

動脈は血流が速いので血栓は小規模傾向です

 

フィブリン血栓は静脈が滞ってできるため、血栓が巨大化しやすいリスクがあります

 

 

抗血小板薬・抗凝固薬の違いについて、もっと詳しく知りたい方はこちらのサイトもどうぞ

 

↓今回の記事作成上の参考にさせて頂いたサイト↓

 

 

https://www.hanakonote.com/kusuri/sarasara.html

ビタミンKと抗凝固薬との関係性は?

 

 

ワーファリンは凝固因子を活性化するビタミンKの合成を抑制することが仕事

 

ビタミンKを多く含む食品は高価を弱めてしまうため、禁忌となる!

第96回 関係性

 

 

ワルファリンとビタミンKとの関係はどれか

 

1 相加作用

2 相乗作用

3 拮抗作用

4 有害作用

解説と答え

 

ビタミンKは凝固因子を活性化する

 

ワルファリンは凝固因子を阻害する

 

お互いに拮抗作用が生じる関係性

 

答え 3

第102回 拮抗作用があるのは

 

 

 

ワルファリンと拮抗作用があるのはどれか

1 ビタミンA

2 ビタミンC

3 ビタミンD

4 ビタミンE

5 ビタミンK

解説と答え

 

 

 

答え 5

 

 

 

避けるべきビタミンKを含む食品

 

ビタミンKは緑黄色野菜に多く含まれています

 

【植物性食品】

・納豆

・モロヘイヤ

・パセリ

・ほうれん草(ゆで)

・小松菜(ゆで)

・青汁

など

 

【動物性食品】

・鶏もも肉 皮付き(ゆで)

・鶏むね肉 皮付き(焼き)

 

上記の内容を含めて、ビタミンKの働きや含まれる食品が気になる方はこちらをチェックしてください

https://www.suntory-kenko.com/column2/article/1041/

第95回 避けた方がよい食品

 

 

ワルファリンカリウム服用時に避けた方がよい食品はどれか

 

1 緑茶

2 納豆

3 チーズ

4 グレープフルーツ

解説と答え

 

 

 

① 緑茶とテオフィリン系薬は注意

 

気管支拡張剤と大量のカフェインを摂取すると両者の作用が増強するため、頭痛や動機などがおこる可能性があります

 

④ グレープフルーツはカルシウム拮抗薬と飲み合わせに注意

 

カルシウム拮抗薬(高血圧、狭心症など)は、グレープフルーツにより薬の作用が増強してしまいます

 

 

答え 2

第98回 避けた方がよい食品

 

 

58歳の男性。コンピュータープログラマー。3カ月前から右下肢に歩行時の疼痛があり右下肢閉塞性動脈硬化症と診断され、経皮的血管形成術の目的で入院した

術後経過は良好で抗凝固薬としてワルファリンが処方され、退院が予定された。

退院後の食事で摂取を控えるのはどれか

 

1 わかめ

2 納豆

3 こんにゃく

4 グレープフルーツ

 

解説と答え

 

答え 2

第103回 避けた方がよい食品

 

 

 

ワルファリンの服用時に避けた方がよい食品はどれか

 

1 緑茶

2 納豆

3 チーズ

4 バナナ

5 グレープフルーツ

 

 

解説と答え

 

答え 2

 

 

第111回 避けた方がよい食品

 

Aさん(60歳、男性)は大動脈弁置換術を受け、ワルファリンの内服を開始することになった

Aさんが摂取を避けるべき食品はどれか

 

1 海藻

2 牛乳

3 納豆

4 グレープフルーツ

 

 

解説と答え

 

② 牛乳、ミネラルウォーターとビスホスホネート製剤、一部の抗菌薬(テトラサイクリン系、ニューキノロン系)とは注意

ビスホスホネート(骨粗鬆症)を内服する時に、牛乳・ミネラルウォーターに含まれるカルシウムが薬の吸収を低下させてしまう

 

 

答え 3

 

 

 

 まとめ

 

では、今回のまとめです

・ビタミンKは凝固因子を促しフィブリン血栓を作る
・ワーファリンは凝固因子を阻害する抗凝固薬
・ワーファリンとビタミンKは拮抗作用がある
抗血小板薬は動脈、抗凝固剤は静脈に関与する

 

 

ビタミンKの働き

 

抗凝固薬のワーファリンによる働き

 

抗血小板薬と抗凝固薬の違い

 

それぞれの役割が分かると拮抗する理由が少しでも理解できたのではないでしょうか

 

過去問題をみて分かる通り、食品選択は【納豆】一択です

 

ワーファリンと納豆は禁忌であることを優先的に覚えておきましょう

 

この記事が、少しでもお役に立てたら幸いです

 

最後まで読んで頂きありがとうございました

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