看護師国家試験|デンバー式発達判定法の見方と子どもの成長を解説
デンバーは項目が多くて、答えの見方が分からない。
答えがどこにあるのか見にくく感じますよね。
国家試験の過去問題の勉強をする中で、答えを確かめる作業は大事な勉強です。
答えを問題に肉付けして、関わる大事なポイントをおさえていきます。
【DENVERⅡ(デンバー発達判定法)】は、判定項目内容が多く、答えが見にくいのが欠点です。
ただ、デンバーは乳幼児健診や診療に使われるなど、乳幼児時期に目にすることが多くなります。
筆者の子どもの検診時にも、この判定方法が用いられました。
デンバーの評価表は、国家試験以外にも活用できるのでおさえておきましょう。
看護師国家試験の過去出題問題と評価表に照らし合わせた解答を解説します。
- DENVERⅡ(デンバー発達判定法)の目的や適応年齢、判定所要時間などがわかる
- DENVERⅡ(デンバー発達判定法)の看護師国家試験過去問題がわかる
- デンバーの答えの導き方がわかる
国家試験は暗記の連続ですが、1点獲得の自信に繋げましょう。
DENVERⅡ(デンバー発達判定法)とは?
デンバーの判定方法について紹介します。
過去に適応年齢が出題されたので、大まかな内容をおさえておきましょう。
判定目的
判定する目的には以下の内容があります。
- 乳幼児の発達障害の早期発見
- 発達診断の質を向上させる
- 発達遅延のスクリーニングとして利用する
- 集団検診や個人健診での活用する
- 療育施設での経過観察に用いる
子どもの発達を判定できると、適した環境を整えることができるので子どもが安心して過ごせます。
環境調整は、実習で必ず介入する内容なのでエビデンスができるで活用しましょう。
子どもとの関わり方もスムーズになるので利用してくださいね。
適応年齢
適応年齢は、0歳(生後16日)~6歳です。
生まれてから幼稚園・保育園まで適応することを覚えておきましょう。
所要時間
判定する内容や年齢で所要時間は異なりますが、15分程度かかります。
子どもの集中力は長く続かないので、遊びながら評価したり、短時間で済ませたりしましょう。
乳児検診では、積み木を使用したテストで10分程度でした。
評価分類
評価分類は、4領域104横目の検査項目あり、1領域に約20~30の検査項目があります。
- 個人―社会
- 微細運動―適応
- 言語
- 粗大運動
評価方法
各項目の評価は長方形で示しています。
長方形の中は、できる子どもの割合を25%、50%、75%、90%で示しています。
判定一覧表を貼っておくので確認しておきましょう。
判定使用する機会
デンバー式の判定を使用する機会は様々ですが、代表的な場面を紹介します。
- 小児の日常診療
- 乳幼児健診(乳児・1歳6カ月児・3歳児)
- 育児相談
判定に使用する物品は積み木やイラスト、実際の会話などから判定できます。
DENVERⅡ(デンバー式発達スクリーニング検査)の過去問題
看護師国家試験の過去問を解いてみましょう。
第95回|首がすわる月齢
日本版デンバー式発達スクリーニング検査で90%の乳児の首がすわる月齢基準はどれか
1 2カ月
2 4カ月
3 6か月
4 8カ月
答え
答え 2
デンバー式の評価表を確認してみましょう
月齢4カ月の赤ちゃんの90%(グレーゾーン)は、「首のすわり」ができることがわかります。
月齢2カ月だと、「45度頭を上げることができる」項目が上に表示されています。
6カ月になると「寝返り」ができるようになるので「ゴロゴロ寝返り→5・6カ月で寝返り」を覚えておきましょう。
第96回改変|9カ月の子どもの発達
日本で用いているDENVERⅡ(デンバー発達判定法)で、9カ月児の90%ができるのはどれか
1 意味なくパパ、ママと言う
2 コップから飲む
3 支えなしで座れる
4 自発的ななぐり書きをする
答え
答え 3
評価表の9カ月を確認してみましょう。
9カ月は「支えなしに座る」評価が過ぎており、このことから90%の赤ちゃんは座るれることを表示を意味しています。
12カ月を過ぎると「意味なくパパ、ママと言う」発語ができるようになります。
成長で覚えやすいポイントは、「1歳からコップを使う」です。
1歳は物をつかめるようになり、「コップ」で飲み物を飲めます。
「コップ」のキーワードが出現したら、1歳を思い出しましょう。
さらに指先が発達するので、クレヨンや鉛筆など細い物を持てるようになります。
書く認識も育つため、「自発的ななぐり書き」ができるようになるのです。
第98回|12カ月の発達
改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査を用いた12カ月児の発達評価で、標準よりも遅れているのはどれか。
1 独り立ちをしない
2 独り歩きをしない
3 つたい歩きをしない
4 意味のある単語を言わない
答え
答え 3
12カ月児の時点での評価表を見てみましょう
赤星:「独り立ち」は約75%が出来る状態であることが分かります。
青星:「意味のある単語を言う」は約50%が出来る状態です。
赤枠:つたい歩きは11カ月で90%が出来る状態を示しています。
評価上では、12カ月の赤ちゃんが「つたい歩き」をしない場合、成長が遅れていると判定できます。
第100回|生後6カ月の発達遅れ
生後6カ月児で発達の遅れを疑うのはどれか。
1 親指と人さし指を使って、物をつまむことができない
2 意味のある言葉を話すことができない
3 つかまり立ちができない
4 首がすわらない
答え
答え 4
1歳前から、指先が発達するのでコップを持つ=1歳を覚えておくと便利ですよ。
10カ月頃からは、「ぶっぶ」「ワンワン」などの単語を話しはじめます。
半年を過ぎると「つかまり立ち」がはじまります。覚えやすい語呂合わせは、「苦労して立つ」→苦(9カ月)労して立つ、が覚えやすいです。
4カ月で「首のすわり」は、90%の赤ちゃんができるようになります。
6カ月を過ぎても「首がすわらない」場合は、発達を疑います。
第104回|デンバー検査について
改訂版デンバー式発達スクリーニング検査について正しいのはどれか。2つ選べ
1 4領域について判定を行う
2 適応年齢は0~6歳である
3 判定結果は数値で示される
4 知能指数の判定が可能である
5 1領域に10の検査項目がある
答え
答え 1 2
幼児の知能指数判定には改訂版田中・ビネー知能検査などが使用されています
第109回|6か月での成長
日本で用いているDENVERⅡ(デンバー発達判定法)で6か月児の90%ができるのはどれか
1 寝返りをする
2 積み木をもちかえる
3 喃語様のおしゃべりをする
4 自分で食べ物を口へもっていく
答え
答え 1
粗大運動評価で6カ月児の90%が「寝返り」できることが分かります。
赤星:「積み木をもちかえる」は25%が出来る状態です。
8カ月ころ「積み木をもちかえる」を90%ができるようになります。
半年検診、1歳児検診には積み木が出てきて「持ちかえれるか」判定をしました。
青星:「喃語のおしゃべり」は言語の領域評価にあります。
2~3カ月ころに泣き声以外に「あー」「うー」声を出します。
7~8カ月には、「意味なくママ、パパをいう」まですすむので、声の出し方の上達が早いです。
「自分で食べ物を口にもっていく」は、個人ー社会領域内の「ビスケットを自分で食べる」項目に該当します。
安全性を口で確かめる行動のため、生後7~8カ月ころから誤飲に注意しましょう。
まとめ|デンバー発達判定法は一目でみやすい
今回は、デンバーの評価方法について紹介しました。
- 目的:成長・発達のスクリーニング検査、発達遅れの早期発見
- 適応年齢:0(生後16日)~6歳
- 評価分類と項目数:4項目(個人ー社会・言語・微細・粗大)、104項目
- 判定の見方:通過月齢の%割合で判定する
過去問題によく見かける、成長のポイントと語呂合わせを合わせて紹介しました。
- ゴロゴロ寝返り→5・6カ月で寝返り
- 「苦労して立つ」→苦(9カ月)労して立つ
- コップを持つ=1歳
評価項目を見てわかるように、新生児期から2歳までの成長は著しいです。
全ての子どもは、それぞれに成長の早さが違うので若干のズレもあります。
評価表を全て暗記するのは難しいですが、出題されやすいポイントや傾向があるので獲得点数を重ねることができます。
全ての国家試験を勉強している皆さんを応援しています!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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