抗コリン薬の副作用は便秘と排尿障害☆国試出題傾向まとめ
こんにちは!救急病院で看護師15年以上勤務している母主(ボシュ)です
今回は抗コリン薬の副作用に関する国家試験出題傾向まとめです!
抗コリン薬は副交感神経の抑制効果があるので、多方面で使用されます
そのため、国試も様々な設定下で出題されています
実際、現場でも直面する場面が多いです
勉強しておくと今後も活用出来るのでぜひ、マスターしましょう
結論、排泄への対応に関する問題が中心となっています
前回の記事では、抗コリン薬の禁忌対象を紹介しています
投与が禁止されている疾患もおさえておいてくださいね
あわせて読んでおこう!
副交感神経を抑制すると高確率で便秘を引き起こす
交感神経は興奮するときに働きます
副交感神経は興奮をおさえてのんびりするイメージです
腸管の蠕動運動は副交感神経で活発になります
抗コリン薬の影響で蠕動運動が低下します
そのため、高確率で便秘を引き起こす
ここさえおさえておけば、便秘の原理が分かって問題も解決しやすくなります
では、どういった内容で出題されているのか紹介していきます
第99回 副作用①膀胱収縮を抑制する
75歳の女性。パーキンソン病と診断され、レボドパと抗コリン薬とが投与されている。最近、尿意はあるが尿が出にくく、気が付くと尿が漏れているという。
対応で正しいのはどれか。2つ選べ。
1 残尿量を調べる
2 定期的な排尿誘導をする
3 骨盤底筋運動の指導をする
4 抗コリン薬の服薬状況を確認する
5 2000ml/日以上の水分摂取を勧める
解説と答え
抗コリン薬の副作用に尿閉リスクがあります
膀胱収縮を邪魔するので排尿が難しくなります
問題は膀胱の中身が減らないので、尿漏れという形であふれ出てしまっている状況です
副作用を疑って導尿で残尿量を調べる必要があります
どの程度、残尿があるのか確認をしてから医師に相談します
必要であれば服薬調整をする流れになります
答え 1と4
第100回 副作用①一時的投与でも排尿困難になる可能性がある
65歳の男性のAさんは上部消化管の内視鏡検査を受ける際、抗コリン薬を投与された。
看護師がAさんに行う説明で適切なのはどれか
1 検査直後から自動車を運転して帰宅できる
2 検査終了後の半日は飲食を禁止する
3 排尿困難を生じる可能性がある
4 腹痛が強くても下血がなければ様子をみる
解説と答え
前項目の問題と同様の副作用問題ですね
ただ一時的に抗コリン薬を使用されたため、体内から排泄されれば副作用も減退します
自宅に帰宅してから出現する可能性を考えると説明しておく必要があります
答え 3
第102回 状況設定問題☆排泄に関する看護
次の文を読み問題に答えよ
Aさん(50歳、男性)は、双極性障害で、これまでにうつ病と躁状態で入院歴がある。会社員の兄と2人で暮らしている。3カ月前から服薬を中断するようになり、気分が沈みはじめ、1週間前から朝起きられなくなった。2日前から1日中ベッドの中にいるようになったため、兄に付き添われて入院した。入院時は亜昏迷状態で、発語はほとんどなく、自力での歩行が困難なほど脱力が強かった。入院後、三環系抗うつ薬が開始された。
問題
Aさんの排泄に関する看護として適切なのはどれか。2つ選べ。
1 便秘を予防する
2 水分摂取を制限する
3 排尿の有無を観察する
4 排泄回数を記載するよう説明する
5 自分でポータブルトイレを使用するよう説明する
解説と答え
本人の状況を想像して理解すると、解答がしやすくなる問題ですね
問題文からして本人は介護が必要な状況です
亜昏迷状態であるので、本人に説明・指導しても実施が難しいと思われます
問題文には記載されていませんが、食事摂取もしていなかった可能性があります
そのため、脱水症状が出現している可能性があるため飲水制限は不必要です
答え 1と3
第106回 状況設定問題☆本人の苦痛を緩和することが看護
次の文を読み問題に答えよ
Aさん(28歳、女性)は、両親と3人で暮らしている。24歳のときに統合失調症を発症し治療を開始している。Aさんは大学卒業後に1度就職したが、発症後に退職し、現在も無職である。2週間前から元気がなく、自室に引きこもって独り言を言っているのが目立つようになったため、両親同伴で外来を受診した。両親からは、1年前から便秘が続き、Aさんが薬の副作用(有害事象)を気にするようになったという話があった。
問題
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか
1 「薬は飲まないといけません」
2 「薬には副作用があるものですよ」
3 「便秘は副作用ではありませんよ」
4 「便秘の対処方法を一緒に考えましょう」
解説と答え
看護は本人が困っていることを解決することです
便秘を気にしている言動があるなら優先的に解決させる必要があります
薬は必要ですが本人の苦痛を解決することにはなりません
便秘対策を行いながら、医師にも相談していく必要があります
答え 4
まとめ:便秘と排尿困難の看護が重要
では、今回のまとめです
服薬状況や排泄状況を確認して医師に報告・相談する
これは、看護師になると現場で毎日、幾度と行います
投与量を調整出来るのは医師のみで、そのためには正確な情報が必要です
患者さんが抱える一番の苦痛は何なのか
そこを緩和するための看護を提供することが実習でも必要になってきます
実習も始まってきますね
実習で勉強したことは必ず、国試にも繋がってきます
大変ですが頑張っていきましょう!
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